見知らぬ人が…

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驚いて言葉が出てこない…

あわわ、あわわ、と手を振り回していると、おばあちゃんが凍結状態になりました。
一瞬後に、解凍され平謝り。
「ごめんなさい。本当にごめんなさい。あの…同じ車なのよ。同じなの。」
「あーいえいえ。大丈夫ですよ。」
「ほんとごめんなさい。ホントに同じ車で…。」
と、何回も何回も謝ってくださって、申し訳ないくらいでした。

迎えが来ないおばあちゃん

どうやら迎えを待っていて、その車が同じ車種のようでした。
ふとしの車から離れた後も、まだ迎えが来ていないようで、少し離れた建物の軒下で待っていました。
さん子もまだ出てこないので、そのまま同じ位置で停車していましたが、おばあちゃんが視界に入ってくるので、気になって気になって仕方がありません。
「迎えまだ来ないのかな。待ち合わせ何時だったのかな。家近くかな。」
なんだったら送ってあげたいような気持になってしまい、ついついチラ見しちゃいます。
おばあちゃんは、なんだか気まずそうで、こちらを見ないようにして立ってます。
「そうだよね。気まずいよね。『送りましょうか』なんて言ったら余計恐縮されそうだよね。でもなー。」

おばあちゃんに声をかけようかどうしようかと考えているうちに、何だかふとしの中で妄想が膨らみはじめました。


ふとしがお年寄りに声掛けをする不審者に誤解され、警察に通報。そして職務質問
「違うんです。私はただ送ってあげたかっただけで…。」
と、泣きながら無実を訴えているあたりで、ドアの開く音がしました。
はっとして見ると、さん子。
「あああ、おおかえりー。」

妄想で疲れてしまい、本物のおばあちゃんに声をかける気力がなくなってしまいました。ごめんね、おばあちゃん。
でもお迎え待ちしている人を車に乗せちゃったら、今度は迎えに来た人が困るかもしれないよね。うん。
そう自分に言い聞かせて、ふとしはそーっと発車したのでした。
無事にお帰りになりましたか?
またあそこに行ったら会うかもしれませんね。うふふ。