こんにちは。
日に日に暑くなり、嫌でも夏の訪れを感じる今日この頃。
もう何年も前に「お嫁さん」を卒業した50代おばさんは、昔を思い出してはゾッとする一人怪談会を開催中です。
もうほんとに「あの頃」には戻りたくないもんです。
仏壇の無いお家に嫁いだので…
義父母が初代としてはじまったお家に嫁いだふとし。
お盆になっても仏壇がないので、お線香をあげにくるお客様は無し。
おまけに夫は一人息子。
義兄弟などもなく帰省客はゼロです。
お盆に関係なくふらりとやって来る親戚のお相手を半日ほどすれば、後しばらくは訪問客の無い家でした。
結婚当初は「ラッキー!」という気持ちでしたが、徐々に「あー命拾いした」という安堵感へ変わっていきました。
義父母は高齢で身体が悪く、日常生活を一緒に過ごすだけでも何かと気を使う日々。
おまけに結婚して1年後には出産して子育ても始まり、その1年後には育休明けで職場復帰。
他所のお宅のお盆の様子を見聞きするたびに、自分には無理だと青ざめながら胸をなでおろしていました。
しかしその日はやってきた
紆余曲折。
すったもんだ。
結婚生活も年数を重ねていくうちに「もう!離婚してやるー!」と飛び出したことも数回。
当時もめた原因のほとんどは義父母との同居でした。
出たり戻ったりを繰り返し、心理的にギリギリのところで結婚生活を続けているうちに、とうとう義父が他界しました。
親戚の偉い人のご指導の下、超田舎式のお葬式を喪主の夫と妻ふとしで行うことになりました。
とっても田舎式だったため、そのストレスたるや…。
最近でもフラッシュバックでその時のことを鮮明に思い出しては、脂汗を流しながらしばらく固まるほど嫌な思い出たっぷりのお葬式でした。
(お葬式話だけで数回分のブログ更新ができそうなくらいです。)
そしてこの後いよいよしろい家にも初のお仏壇登場。
いよいよ「お盆」という行事が始まりました。
準備が大変
長女いち子と次女に子はまだ幼く、義母は何かと手がかかる。
その頃は、義父母の介護を理由に退職して専業主婦中。
それでも家族の面倒を見ながら、お盆の支度を一人でこなすのはなかなか大変でした。
お花は?
仏壇用とお墓用ね。
お煮しめは?
前の晩から作っておかなきゃ間に合わないわ。
お供えは?
我が家用と親戚の墓前用に…、えーっと何セットだっけ?
近所の親戚宅へ行き、教えを請うたお盆のお仕度。
とにかく教えられたとおりにやるしかないと、メモを取ったノートを見ながら必死で準備しました。
大量のお買い物や家の掃除。
汗がだくだくに流れますが、やらない訳には行きません。
小さな娘たちに多少のお手伝いはしてもらいましたが、義母は自分の身の回りの事だけで精一杯。
やはり1人でやるしかありません。
ひーひー言いながら、やっと準備が終わったと思ったのも束の間。
夜もほとんど寝た気がしないうちにすぐ朝が…。
お盆の本番です。
早朝からお供えのセットづくり。
その後は普通に朝食の準備です。
お墓参りでは近所の方々や親戚に次々出会います。
寝不足でクマの出来た顔に引きつり笑いを浮かべて、会釈そしてまた会釈。
帰りたいよ。
もう寝かしてくれよ。
そう何度も思いますが、帰れば今度はお昼の支度があります。
お盆はまだ始まったばかり。
しかし、もうすでに嫌気がさして眉間にしわが寄り始めるふとしです。
そして来客数増加
夫が一人っ子なので帰省客はなし。
これは本当に助かりました。
しかし、今までほとんどなかった来客が急激に増加。
「お線香をあげにきました。」
というお決まりのフレーズで、ランダムに次々とやって来ます。
夫はお墓参りの日だけ夏季休暇を取って、後は出勤することが多かったため、大抵は妻ふとしが1人で対応する羽目になりました。
仏間へご案内。
その後別室へ移動していただき湯茶提供。
当たり障りのない世間話を必死にひねり出してお相手。
お帰りの際はお返しの品物を忘れずにお渡し。
万事全般、粗相のないように…。
ドキドキハラハラしながら、いつ来るかしれないお客さんを待つ数日間。
お盆期間中は心が休まる暇がありません。
せっかくいらっしゃったお客様。
丁寧におもてなししたい気持ちは十分にあります。
しかし育児と介護だけでもしんどい毎日に、ほぼワンオペでのお盆対応。
子供たちは小さいから仕方ないとして。
義母は年を取ってて足腰も悪いから仕方ないとして。
夫だって仕事なんだから仕方ないとして。
でも、だけど、だって、じゃあ…!
いったいどうしてこんなにも、自分だけが大変だという気がするんだろう。
誰にだったら文句を言ってもいいんだろう。
ああ誰かに言いたい。
「やってられっか!!」
って思いっきり怒鳴りたい。
ふとしの体は1個しかなくて、ふとしの時間は24時間しかない。
何人分働けばいいの?
何時間働けば自分の時間を貰えるの?
ふと顔上げると最高にいい笑顔で黒枠に収まっている義父の遺影と目が合いました。
故人に対して不敬であると思いつつ
「こいつか?こいつのせいなのか?」
と、つい睨み返す嫁ふとし。
行き場のない怒りを、もういない人にぶつけるしかありませんでした。
嫁の優しさは底をついたので
今から思えば、悪いのは死んだ人じゃなくって生きてる人の方。
家庭内の立ち位置の低さから、お嫁さんが
「いいですよ。」
「大丈夫ですよ。」
と言うその言葉を、そのまま受け止めないでほしい。
「無理」とか
「出来ない」とか
言えない気持ちをすくい上げる人が居なきゃ。
ここは夫の出番なんですが…。
夫の背後にはいつでも「仕事」の文字が見え隠れ。
ついつい遠慮をして、忙しいだろうと妻の方が察しちゃいます。
でも今なら言えるかな。
「私も頑張るから、あなたも仕事を休んで手伝って。」
休めなくもないよね。
いえ、きっと休めます。
要は、夫に休もうとする意志があるかどうか。
家の面倒くさいことから距離をとったうえで、妻の愚痴や文句を聞くだけの夫は良い夫じゃありません。
ふとしは来客対応だけでしたが、それでも心身ともにクタクタ。
もし夫に兄弟がいて毎年帰省していたら…。
たまにしか会わないからこそ、どんなおもてなしをすればいいかと、ずっと気を使いっぱなしになることでしょう。
実際そんな思いをしているお嫁さんたちって今も沢山いるんでしょうが…。
本当に頭が下がります。
数年前の引越しを機に、しろい家のお盆はまた来客無しになりました。
お墓参りの準備は以前と同じようにしていますが、家族だけで過ごせるという安心感でリラックスできます。
長年妻の愚痴を聞き続けた夫は、反省なのかお詫びなのか、せっせとお家の掃除をしてくれます。
過去の辛かった日々が消える訳ではないけれど、今の生活にストレスが少ないのは夫の努力のおかげでもあります。
感謝してますよ。
だから今後も家事分担多めによろしくお願いしますね。
家の事を何でも出来るようになったきた夫。
頼りになる反面、妻ふとしの存在意義がどんどん薄れていきますが…。
まあいっか。
夫が掃除機をかける音を聞きながらブログを書く妻ふとし。
あー幸せ幸せ。
ふふふ。
【過去記事】
時々、妻に厳しくなることもある夫です。
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